全く戸惑いが無いと言えば嘘になる。
けれど、一回死んでしまったものはどう足掻いても生き返れない。
だったら、やり直せるだけ儲けもの。
どんな環境だろうと、セカンドライフを楽しんでやりましょう。
あれから、唐突に意識が薄れたかと思うと次に覚醒した時にはベビーベッドで寝てました。
正直、出産とか胎児視点で経験したらトラウマ必至だと思ってたので、一安心。
とりあえず、頼んだ条件は満たされているようで、両親とも関西人で名前も前世のまま。
けれど所詮体は赤ん坊。情報収集にも限界があるのでここが何の世界かは未だ不明です。
NOVAの条件によると親戚に少なくとも一人はキャラクターがいるはずだけど、生まれてから会った血縁者は両親以外に祖父母だけなので推測不可能。
私と同じ『』という苗字を持ったキャラクターの出てくる作品は思い浮かばないし。
まぁ、気長にやっていこうと思います。
新しい両親は私のことをそれはもう可愛がってくれる。
お母さんはしっかりした美人さんで、お父さんは穏やかそうなハンサム。
まさしく理想の家庭です。
特にお父さんの私への愛情の注ぎ方は半端ない。
第一子で、女の子ということもあってか頻繁にプレゼントを買ってきてくれる。
「ちゃん、くまさん買ってきたで!」
今日は海外製の高級ベビー用テディベア。
うん、嬉しいんです。値段が張るだけあって肌触りもふこふこで可愛らしい。
だけどさすがに三体は多いよ、父。
けれども此処まで愛して貰えると幸せなのは確かで。
お父さんの指をギュッと握って感謝の気持ちを込めてニッコリ笑った。
「ちょ、いまちゃん笑った!めっちゃ可愛い!!」
「ちゃんが可愛いのはわかったけどなんで三つも買うて来たん?ベッド占領されかけやんか。」
お母さんは私を抱きあげて、ベビーベッドにみっちり寝かされていたくまを移動させてくれた。
ごめん、お父さん。そんなに哀しい顔をしてもくまさんの為に快適な睡眠を犠牲にはできません。
「許したってな。お父さんはちゃんのことが好きで好きでしゃーないねんて。」
前世も入れれば私とそう変わらない年齢なのに、お母さんの声を聞くと安心する。
無条件で甘えられるような安心感があるのだ。
優しく頭を撫ぜられると、とても満ち足りた気持ちになる。
お父さんもお母さんもとても幸せそうに微笑んだ。
「健康に生まれて来てくれてよかった。これから、楽しいこといっぱいさせたるからな。元気に育ってな。」
「そやで。私らの子に生まれて来てくれてありがとう。」
私の方こそ。
生んでくれてありがとう
Reflection
生まれた先はとても幸せな環境。
次回、いよいよ従姉弟を登場させる予定です。
関西といえば…
REPLAY
Copyright c 2010 Minase . All rights reserved.